
シロツメクサがとても好きです。田舎ならどこにでも咲いていると思うのですが、自分が小さい頃、家のすぐ近くにタンポポとシロツメクサが一面に咲く場所がありました。
そこで遊ぶのが大好きで、特に何をするわけでもなくただ、嬉しくてはしゃいでいました。
その頃に読んだ子供向けの教材かな? 花で遊ぼう的なページがあり、シロツメクサで編む冠の作り方が載っていたのです。
女の子が得意そうな編み込む方法と、自分のような雑なガキんちょでもできる簡単な方法とふた通りが紹介されていました。もちろん後者しか理解できなくてそれをひとりで作って遊んでいたわけです。
簡単なやつだけど自分にもこんなんができたぞ。とかなり嬉しかったのを覚えています。
そしてある日、よく遊んでくれた近所の年上のお姉さんが一緒にそこへ来てくれて、他のみんながワイワイと騒いでいる隅っこでひとりで過ごす自分のことを見てくれていました。とにかくとても優しい人で、会うたびに内向的な子供だった幼い自分の遊び相手になってくれていたのでした。
そしていつものようにシロツメクサの茎に爪で切り込みを入れ、別の茎をそこに通して繋げていたら、お姉さんがこうやるんだよ。と言って自分には難しくてできなかった花の冠を編んでくれたのです。
すごいと思い、目の前で見ていたのにやっぱりどうやるのか分からず、でもそれを持たせてくれて自分で作ったみたいに嬉しかった。
そのお姉さんは数年後、事故で突然亡くなってしまいました。
自転車に乗ってあっちこっちへ行きまくるようになっていた頃のことです。だからもう、滅多に会わなくなっていて、そのことを聞いても実感がわかず、二度と会えなくなってしまった事実を理解できるようになるまでには時間がかかりました。それだけ子供だったということですね。
亡くなったお姉さんの二倍の年齢を過ぎた今も、春になってシロツメクサを見ると思い出します。
ひとりで過ごしている自分を見かけるといつも構ってくれました。意地を張っていたのか声を掛けてもらえた時、つまらなそうに返事をしたり黙っていたりしていた気がします。
とても昔のことなのに優しくしてもらったことをよく覚えているし、懐かしく会いたい気持ちもあるのですが、あの日、どうして悲しくならなかったのか、後になってやっと理解できたのか、今更なぜ寂しい気持ちになるのか、我ながらよく分かりません。
誰にも話したことはなかったのですが、なんとなく春にシロツメクサを見ると思い出すあの頃のことを、ここに残しておこうという気持ちになりました。


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